山形県は全国有数の多雪地帯。冬、山々は、厳しい寒さと深い雪に覆われます。そのため、比較的標高が低い場所にも高山植物が生育します。また、高山植物は雪解けしたところから順に咲いていくためはっきりとした群生を作り、雪が残る場所では遅い季節までフラワーウォッチングを楽しむことができます。
今回は、夏のフラワートレッキングを日帰りで楽しむ山旅を紹介します!

登山初心者の阿部さんは元気いっぱい、笑顔でトレッキングに挑戦です。
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笙ガ岳について
鳥海山系の中でも「西鳥海」と呼ばれる
笙ガ岳。
冬の季節風をまともに受けるため木々の
生育が妨げられ、雪田草原や風衝草原が
発達し、シーズンとなれば多彩な高山
植物が咲き乱れる花の名所となって
います。 -
今回の山旅は七月下旬。この年は雨が降り続く長い長い梅雨、その貴重な晴れ間を狙っての山行です。
鳥海ブルーラインの標高1,080m地点、大平登山口(吹浦口)まで車で向かいます。
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まずは大平駐車場付近にある大物忌神社中ノ宮で今日の山旅の
安全を祈願。 -
登山ポストに登山届を出し、さあ出発!
眼下には日本海が広がる絶好の天気!
二人ともテンションが上がります♪
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登り口からいきなり始まる急な階段。
ゆっくりと息を整えながら登ります。 -
まずは森の中、苔むした登山道を歩きます。
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早速足元に何かを見つけた岩瀬さん。
登山道脇にひっそりと咲く花々を次々に写真に収めていきます。
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ほどなくして森林限界を超え、見晴台では日本海が一望できました。
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日本海に浮かぶ飛島。
まるで島が空に飛んでいるような錯覚を覚えます。 -
見晴台を過ぎると、雪解けしたばかりの湿原に
チングルマやイワカガミが姿を見せてくれました。
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フリルのような花びらのイワイチョウ
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花盛りのチングルマが登山道脇で二人を出迎えてくれます。
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次に出迎えてくれたのはニッコウキスゲ。
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ヨツバシオガマも現れ、彩りが増します。
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河原宿まで行くと、雪渓が現れました。
雪渓の上を渡る風は冷たくて気持ちいい!
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阿部さんは初めての雪渓歩き。この日は気温が上がって雪渓が緩み、アイゼンなしでも滑ることなく快適に登ることができました。
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雪渓辺縁部は下が空洞。踏み抜かないように注意!
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次第に花々の種類が増えていきます。
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お花畑の中の石畳を登っていきます。
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笙ガ岳の尾根筋である長坂道に到達。遠く稜線がニッコウキスゲに黄色く染まっています!

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一面のニッコウキスゲの中を笙ガ岳へ。
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一番奥のピークが目指す笙ガ岳山頂です!残念ながらこのあたりからガスが…
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雪渓が残る斜面を山頂まで登っていきます。山肌の緑、雪渓の白、ニッコウキスゲの黄色のコントラストが美しい!
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山頂に到着!ちょうどガスに囲まれ残念ながら眺望が得られませんでしたが、その分、足元に咲く花々を楽しめました!
コンディションが良ければ前に日本海、後ろに鳥海山の絶景が望めます!
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ほら!日本海に浮かぶ飛島が!・・・見えたふりをしてみます
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ほら!あっちには佐渡島が!・・・見えたふりをしてみます。
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ここまで、急階段あり、石畳あり、湿原あり、雪渓ありとバリエーション豊かな登山道を3時間登ってきた二人。
山頂で飲むコーヒーは格別です。二人を出迎えてくれた花々の名前を一つ一つ思い出しながら、また来たいねと話にも花が咲きます。
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登ってきた登山道を振り返ると、ぽっこりとした鍋森(右)の奥に鳥海山が顔を出してくれました!
この日本離れした絶景に、天気のいい日にもう一回挑戦したくなってしまった二人です。
夏のフラワートレッキング やまがた百名山「笙ガ岳」の山旅を終えて
- 岩瀬さんの感想
- 雪渓やお花畑が広がり、いろんな景色を楽しめたフラワートレッキングとなりました。特に一面に広がるニッコウキスゲは絶景です!色とりどりの高山植物を見ながら、ゆっくりとトレッキングを満喫できました!
- 阿部さんの感想
- 花や景色を見ながら、自分のペースで歩いて楽しむことができました。
私の想像以上にお花畑が広がっていて、歩を進めるたびに「次は何だろう?」とワクワクする山旅でした!
8:45 | 大平登山口(標高 1,080m) 発 |
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9:30 | 見晴台 |
10:40 | 河原宿 |
11:00 | 長坂道T字分岐 |
11:50 | 笙ガ岳山頂(標高 1,635m) |
(昼食・休憩後下山) | |
14:30 | 大平登山口 着 |