やまがた山

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里山スノートレッキング!やまがた百名山「米太平山(よねたいへいざん)」

 冬も山に登ってみたいけど、雪山登山は危険そうだし、ハードルが高くて…という方は多いかと思います。
 でも、山形県は全国有数の多雪地帯。高い標高まで登らなくても、人里近くに雪が豊富にあります。
 今回は、雪の感触を楽しみながら里山を登る、爽快なスノートレッキングを紹介します!

<結氷した米堤と米太平山遠景>

会社の同僚である岩瀬さんと阿部さん。夏に笙ガ岳フラワートレッキングを楽しんだ2人が、スノーシューを履いて初めてのスノートレッキングに挑戦です!

米太平山について

 毎年サケが遡上してくる鮭川に三方を囲まれた、鮭川村の里山。
 お隣秋田県、太平山の鬼神が逃げてきて
居座ったという伝説がある山です。
 山麓には地元の方々のたゆまぬ保全活動
により復活した米湿原があり、ザゼンソウや
サギソウ、キンコウカなど貴重な植物が季節を
変えて咲き誇ります。
 冬季にはスノートレッキングが手軽に楽しめ
る、冬山入門としても最適な里山です。

米太平山(よねたいへいざん)の位置

雪の上を歩く道具にはいろいろあります。軽さや浮力など一長一短あり、雪の状況や斜度などで使いやすさが変わるため、どれが優れているとは一概には言えません。

当日はふかふかの新雪、初めてスノートレッキングに挑戦する2人は一番浮力のあるスノーシューを選択。同行の取材陣はかんじきを選択しました。

レインウェアを履いて、
防水性の高い登山靴に
ゲイターを装着してスノー
シューを履きます。ここ米太平山では、標高が低いので保温材入りの冬用登山靴までは必要ありませんでした。

寒そうだからとつい厚着になってしまいがちですが、意外に運動量が多いもの。着るものが濡れると冷えて体温を奪ってしまうので、汗の処理には注意が必要です。常に肌に触れるアンダーウェアには特に気を使いましょう。

スノーシューは、事前に履く練習をしておき、細かい調節をすませておきましょう。

現地でいざ履こうとしたときに、気温が低く手がかじかんだり、雪の上で動きが制約されたりして装着に手間取ることがあります。

夏用のトレッキングポール(左)ではバスケットが小さく、雪上では深く刺さってしまいます。
冬用のバスケット(中央、右)を使いましょう。

雪面が固く氷結したり、斜度がきつい箇所がある山では、このほかにアイゼンやピッケルなどの雪山登山の用具が必要になってきます。雪崩のリスクが高い山では、雪崩ビーコンなどの専用装備も必要です。
目的とする山でどんな用具が必要なのかは、経験者に聞くなどして事前に十分調べておきましょう。

スタート!

今回の山旅は1月上旬。この年は年末からの寒波で雪が降り続きました。当日は快晴無風、キンキンに冷え込んだ絶好のスノートレッキング日和。無雪期の駐車場までの道路は未除雪のため、付近の米公民館周辺から米堤(大堤)を巻いて最短で山頂を目指し、ぐるっと周回するコースを巡ります。

いざ雪上へ!
ノートラックの雪面の上を歩いていきます。

スノーシューの浮力に思わず笑顔になる2人。
ただし、無理は禁物。ラッセルは最初は楽しいですが体力の消耗が激しいので、先頭は代わりばんこに。

米堤のほとりを過ぎ、いよいよ登山道へ!

林の中を一歩一歩進んでいきます。
先行者は動物の足跡のみ。

これは何の足跡かな?
厳しい冬を過ごす動物たちの営みに
思いを馳せます。

次第に斜度が増してきました!
はじめは軽く感じた新雪ですが、膝丈まで積もった雪を
ラッセルして登るのは結構大変!

斜度がきつくなると、かんじきが効果を発揮!

汗をかきかき急斜面を登ると展望地に。
鳥海山は雪煙の中でした。

ここからは太陽に向かって稜線まで進みます。
雪面がキラキラと輝いてまぶしい!

稜線に出ると、神室連峰の山並みが迎えてくれました!
この展望が米太平山の魅力の一つです。

稜線ではアップダウンの連続。
スノーシューを履いてはじめての下り坂、ドキドキしながら進みます。

木の上の雪が陽射しで溶けてつららに。
つららができる瞬間です。

気温は0度ですが、陽射しも加わって暑い!
アウターシェルを脱いで山頂を目指します。

最後の急登はかんじき部隊に道をつけてもらいました。

登ること90分、山頂に到着!無雪期は約30分ほどで到着する行程ですが、約3倍の時間がかかりました。

ショベルで雪を掘ってイスとテーブルを作り、絶景を見ながらランチ。
雪の上で食べるカップラーメンってなんでこんなに美味しいんだろう!

山頂で絶景を楽しんだ後は、周回ルートで下ります。
晴天の時は特に雪面からの照り返しが強いので、サングラスは必須アイテムです。

陽射しで緩んだ雪、平坦な林道が地味にきつい!

標高約200mの里山とは思えない絶景が味わえるのも、豪雪地ならではの魅力ですね!

米湿原を挟んだ対岸から、さきほどまでいた山頂方面を望みます。
あそこからぐるっと回ってきたんだ!

登り口まで帰る前に、米地区の展望台までちょっと寄り道。

鮭川の流れと神室連峰が一望できる展望台に到着!

二人で記念撮影!と思ったら・・・

タイミングよくバランスを崩して
転んでしまう阿部さんでした(笑)

除雪されていない車道を下って登り口まで戻ります。

ちなみに、取材スタッフがかんじきを脱いで
ツボ足で歩いたらこのとおり。太ももまで沈む雪でした。

登り口の米集落が見えてきました。
楽しかったスノートレッキングも、まもなくおしまいです。

この日は一日中好天。最後に
映える写真にも挑戦してみました!

帰りには、鮭川村の冬の風物詩「鮭の新切り(ようのじんぎり)」が軒先にぶら下がる産直「さけまるくん」でお買い物。 村の特産のきのこが豊富!

里山スノートレッキング やまがた百名山「米太平山」の山旅を終えて

里山でのスノートレッキングは、雪山で気を付けるべき「道迷い」「雪崩」「踏み抜き・滑落」などのリスクを極力抑えることができ、人里に近いという心理的な安心感から、初心者でも気軽に楽しむことができます。

一方、この日の所要時間は、膝上まで降り積もった雪のラッセルもあり無雪期の約3倍。雪の状況で条件は大きく変わりますが、行動人数が少なければラッセルでの体力の消耗も激しくなりますし、里山といえども登山道が雪で埋まればルートファインディングに時間を要します。

初心者の方は、経験者と同行したりガイドツアーを利用するなどして、安全にスノートレッキングを楽しみましょう。

岩瀬さんの感想
ふかふかの雪を楽しむことができた最高の一日でした。
次はかんじきに挑戦してみたいです!
阿部さんの感想
山奥まで行かなくても、身近な里山にこんな景色が広がっているなんてびっくり。
今までは眺めていただけでしたが、これからはもっと雪を楽しんできたいです。

本日のコースタイム(参考)

10:50 米地区公民館(標高約60m) 発
  ~米堤経由~
11:30 展望地
12:20 米太平山(種活沢山) (標高206m) 着、昼食
  ~林道経由~
13:50 米地区展望台
14:15 米地区公民館 着