秋田太平山の鬼神が逃げてきて居座ったという伝説がある山で、米集落の里山として利用されてきました。山域には幾つかの展望スポットがあり、鮭川を挟んでの戸沢村方面の展望、鮭川村の田園風景、鳥海山の雄大な姿等を堪能できます。
山麓には、県内はもちろん国内でも絶滅が危惧されている動植物が数多く見られる米堤(大堤)や米湿原があり、自然観察に絶好の場所となっています。湿原は早春から晩秋の紅葉まで、季節を変えて楽しむことができます。また、冬山入門として「かんじき」を履いてのトレッキングを手軽に楽しめる山でもあります。
- 最短コース◎◎片道:30分
- 米湿原の駐車場下から米堤(大堤)を巻くように逆時計回りに進む最短コース。米太平山方面を指す道標に従い進むと米堤の土手に出ます。米堤沿いに農道を少し行くと本格的な登山道が始まります。登山道は整備されていますが急登なので体力に応じて休憩を挟みながら登りましょう。急坂は三段階に分かれており、いずれも比較的短い距離です。最後の急坂を登ると、突然展望が開けます。三吉大権現の文字が刻まれた石碑があり、西に戸沢村松坂や神田集落が間近に見渡せ、北には鮭川村の田園風景や鳥海山の美しい姿が広がります。展望の良さから、地元ではここを米太平山の山頂として認識し親しまれている方も多いくらいです。
展望スポットから東に入ってすぐの分岐点が少し判りづらいので注意してください。ここからは稜線歩きなので余りアップダウンはありませんが、早い季節は刈払いがされていない時期もあるのでご注意を。暫く進むと206mピークの山頂に着きますが展望はありません。その手前に展望ポイントがありますので、休憩はそちらをお薦めします。地元では山頂を別名「種活沢山(たねかつざわやま)」と呼び、親しんでいます。 - 一周コース◎◎片道:1時間20分
- 最短コースでは物足りない方にお薦めの山域を一周する周遊コース。山頂までは最短コースと同じ道のりです。山頂からは稜線沿いに東側へ進みます。更に進むと林道と合流し、林道から車道と歩きが続きます。そのうち、車道沿いに「展望台」を差し示す標識が出現するので、再び遊歩道に入ります。5分程度で展望台となり、ここからは鳥海山や神室連峰、鮭川と田園風景が楽しめます。十分に休憩を取ったら、遊歩道をくだり、再び車道歩きを経て米湿原の駐車場へと戻ります。