奥羽山脈の一部をなす神室(かむろ)山地は、新庄盆地と向町盆地の間に横たわり、新庄市と最上町との境に位置しています。その中で小又山は、前神室(まえかむろ)、神室山、天狗森、火打岳(ひうちだけ)と続く主稜線上に位置し、最も高い頂をもちます。
冬季は季節風を直接受け止めるため積雪が多く、森林限界は低い位置にあります。地質学的には第三紀層の安山岩で構成されており、広く花崗岩が露出しています。そのため、海抜高度からは想像できない谷の深さで滝やゴルジュが連続する一方、尾根には偏東積雪による著しい非対称山稜の発達が見られます。
- 西ノ又沢コース ◎片道:3時間30分
- 西ノ又林道終点から、赤倉又沢を渡渉した対岸が登山口です。春先や激しい降雨後は、渡渉が困難となります。杉の植林地や山神様を過ぎ、1111ピークまでは急な道が続きます。その先はブナの巨木が並ぶ尾根の稜線を進み、越途(こえと)で大又口コースと合流します。山頂手前に急な草付きがあるので注意してください。
※ 融雪期や豪雨時は西ノ又沢の渡渉が困難となる場合がありますので、必ず現地の状況を確認のうえ、登山計画を立ててください。 - 大又コース◎片道:4時間
- 沢を渡渉せずに山頂を目指せるコースです。駐車スペースから北へ300m程度のところに神室山根の崎沢コースの登山口があります。登り始め3合目くらいまでは急な尾根登りです。その先オサバグサの咲くブナの原生林に入ると、間もなく西の又沢口コースと合流する越途です。健脚者は天狗森(70分)、神室山(120分)、そして根の崎口(210分)と周遊することも可能です。【アクセス道】未舗装路あり。悪路のため四輪駆動車でも要注意。【駐車場】登山口の手前に駐車スペースあり。3台程度。【トイレ】なし。事前に白川渓谷公園のトイレを利用するとよい。