新庄市の南西部にある本合海地区の最上川右岸に位置する山です。
八向山の南側、最上川に面した断崖の上には八向楯が中世に築かれた歴史があり、最上川側に突き出た尾根筋を二重・三重に断ち切って、本丸・二の丸・三の丸の郭を区画し、それぞれの境に薬研(やげん)堀の二重の深い空堀を設けられました。本丸の南側は最上川に面した高い断崖で、この脚下を洗う激流により、かなり浸食されています。本丸南面の白い断崖中腹に祀られている矢向神社は、平安時代前期、貞観16年(874)の昔、政府から従五位下を授けられ、兄頼朝と対立し奥州平泉に向う源義経も「矢向大明神」を伏し拝んだと「義経記」に記されています。
- 八向山登山コース◎片道:1時間(八向楯跡までは40分)
- 国道47号線を新庄市から戸沢村方面に進み、内川橋直前で右折し川沿いに進んだ八幡神社が登山口です。神社の下に6台ほどの駐車が可能です(駐車スペースに流れ込む沢水により泥濘化しやすいのでご注意ください)。
神社から川沿いを西に歩き、揚水機場(跡地)から北に進み、小川を渡ると登山道標識が現れます。ここから本格的な登山道となり、切通しの道を10分ほど登ると東側に展望が開ける視点場になります。
さらに5分ほど登ると、八向楯と山頂の分岐に至ります。
この分岐から北方向に進めば山頂、南方向に進めば八向楯跡です。
山頂までのルートは藪化が進んで夏季の登頂は困難でしたが、2020年に地元団体により登山道が整備され、刈払いや目印のテープが設置されて登頂が可能となりました。樹木が生い茂っていますが西側にスパッと落ちた尾根、山頂直下には急登があるので注意しましょう。
八向楯跡へは、二重三重にめぐらされた空堀を越えて進みます。八向楯跡では最上川を眼下に見下ろすことができますが、落下の危険性が高いので気を付けてください。
また、対岸にある本合海大橋の麓から、最上川を挟んでの八向山の急峻な岩肌と勇壮な山容も見ごたえがあります。【アクセス道】駐車場まで一部未舗装【駐車場】6台程度、泥濘化しやすいので注意【トイレ】なし