与蔵山は最上地方と庄内地方を結ぶ古道として知られる与蔵峠の途中に位置する山です。周辺には「カゴ山の大カツラ5兄弟」「藤九郎沢の千年カツラ」「まぼろしの滝群」といった様々な観光スポットがあります。
山頂は羽根沢口から40分ほど歩いたポイントですが、見所はその先の与蔵沼。峠の麓の村に住む与蔵という炭焼きが大蛇になって住み着いたという言い伝えが残る与蔵沼までのトレッキングコースは人気があり、毎年6月には鮭川村主催のトレッキングツアーが開催されます。
与蔵沼から酒田へ抜けるルートは現在、刈払いがされておらず通行が難しい状態です。
- 大芦沢コース◎片道:2時間10分
- 大芦沢集落からの林道終点が登山口です。登山口には10台程度の駐車場とトイレが整備されています。大芦沢川左岸に沿った気持ちの良い緩やかな遊歩道を進むと、じきに「まぼろしの滝群」です。湯沢の滝、大滝、白猿の滝、夫婦滝はいずれも見ごたえ十分、特に「不動明王の滝」と呼ばれた大滝は、滝群の中で最も水量が豊富です。まぼろしの滝群から与蔵沼までは、ブナ林の中、急な登りが続きますが、モリアオガエルの沼付近からは再び緩やかな道となり、羽根沢口コースと合流し、5分ほど歩くと与蔵沼です。天候や四季に応じて様々な表情を見せてくれる魅力的なスポットです。【アクセス道】未舗装路あり。車高の高い四輪駆動車なら支障はないが普通車の走行は要注意。【駐車場】登山口直近に未舗装の駐車スペースあり。5台程度。【トイレ】登山口直近のトイレは解体工事中で使用不可。大芦沢地区内の大芦沢公民館のトイレを開放しています。
- 羽根沢コース◎片道:1時間25分
- 羽根沢温泉から西へ林道を進み「与蔵峠越え羽根沢口」の表示のある登山口から与蔵山・与蔵沼へと向かいます。登山口手前に10台程度の駐車スペースがあります。登山口は新庄盆地や村山地方まで見渡せる展望スポットでもあり、新庄盆地が濃霧に覆われる晩秋早朝の「与蔵高原の日の出・雲海」は絶景です。登山道は基本的にアップダウンが少なく、ブナ林の中、落葉の絨毯を歩く、登山というよりはトレッキングコースといった趣の歩き易い道です。登山口から30分前後で山頂への分岐があり、少し登りあがったところが山頂ですが、三角点と広場はあるものの展望はありません。
与蔵沼へは分岐を登らずに、稜線を直進します。途中、数箇所分岐がありますが、全て右を選択して進みます。与蔵沼まで0.9km地点にみはらし台があり、天候が良ければ正面に鳥海山、東に神室連峰が見渡せます。みはらし台から一歩きで大芦沢コースと合流し、与蔵沼へと至ります。
※ 令和3年7月の豪雨災害により、羽根沢口へのアクセス林道が通行止めとなっています。(R3.8.5)【アクセス道】未舗装路あり。車高の高い四輪駆動車なら支障はないが普通車の走行は要注意。【駐車場】登山口直近に駐車スペースあり。5台程度。【トイレ】なし