母狩山の名は、前九年の役で朝廷から派遣された源義家に敗れた阿部貞任・宗任兄弟が、先に落ち延びていた母を探した山であることが由来とされています。母狩山の北には、兄弟が鎧を納めたと伝えられる鎧が峰がそびえています。また、山麓にはその子孫として、阿部姓を名乗る人が多く暮らしています。
朝日連峰から続く花崗岩を基盤とする摩耶山・湯ノ沢岳・金峯山の一角を成す山で、これらの山々を巡る縦走も可能です。
紹介している谷定口のほかに、鶴岡市砂谷(長滝)地区から登るコースもありますが、あまり利用されていないため荒い道です。
- 谷定口コース ◎片道:2時間(谷定集落から3時間)
- 山麓の鶴岡市谷定(金谷)地区から林道を通り、砂防ダムのある関根まで車で行くことができます。登山口には数台の駐車スペースがあります。登り始めには、杉林や広葉樹林に覆われた谷定川が流れており、給水が可能です。暫く沢沿いに歩き、ブナ林に入ったあたりで南方向へ進むます。ジグザグを繰り返し進んだ先の高見台からは、庄内平野の展望が楽しめます。ここからは進路を西に変え、三方境までの急坂を登り、金峯山からの縦走コースと合流します。途中、木立ちが拓けた場所から庄内平野と鳥海山を眺めることが出来ます。三方境を南へ左折すると5分程度で山頂です。山頂は十分な広さがあるので、大人数のグループでもゆっくりと過ごせます。木立ちの間から、月山の四季折々の美しさをのぞき見ることが出来ます。【アクセス道】一部未舗装。路面状態は良好。駐車場から砂防堰堤の南側斜面を登ると登山口。【駐車場】砂防堰堤手前に4~5台程度【トイレ】なし