障子ヶ岳は、朝日連峰主稜線の三方境から北に派生する、通称二ツ石尾根上の岩峰です。鶴岡市(旧朝日村)と西村山郡西川町の境に位置しています。「障子」とは一般的に、屏風や幕と同じく大きな岩壁を指します。南面は「紫ナデ」と呼ばれる、大井沢川の支流、中先沢の谷底までおよそ300mのスラブ状の岩壁をなし、朝日連峰では南の祝瓶(いわいがめ)山東面および西のエズラ峰東面と並ぶ代表的な岩場です。
最寄の登山口は西川町大井沢、2つの登山道が敷かれており、行きと帰りでコースを変え周遊することが可能です。
- 南回りコース◎片道:約6時間
- 南俣沢出合の駐車場がスタート地点です。大井沢川本流の橋手前を左に折れ、南俣沢の橋を渡りカラマツ、ブナ、ヒメコマツといった植生の変化を楽しみながら進みます。竜ヶ岳付近の水場で水分補給ができますが、時期によっては出ていない場合があるので注意が必要です。水場を過ぎると石畳の道を経て、雨量観測所を超えると障子ヶ岳と天狗角力取山への分岐点の粟畑です。分岐を右折し、尾根沿いをもう一頑張りすると障子ヶ岳山頂です。山頂からは朝日連峰の山々の大展望を楽しむことができます。
- 北回りコース◎片道:約4時間15分
- 急登の尾根道を進む最短コース。本来は大井沢川林道終点の駐車場が出発点ですが、災害等で通行止めの場合は、南俣沢出合の右手から登り始めます(+30分)。林道終点から小さな沢を渡ると、いよいよ本格的な急登が始まります。黙々と登り続け3時間ほどで紫ナデに到着、暫く緩やかな稜線を進み、小障子からの最後の登り上げを経て山頂に至ります。体力を必要とするコースで岩場もあり、時期によっては刈払いが充分でない場合もありますので、余裕をもった登山計画を立て臨みましょう。