やまがた百名山に選ばれている山々は、登山口まで車でなければ行けない山が多く、公共交通機関がない山も少なくありません。そんな中で運転免許がなかったり、運転が苦手な方でも気軽に登山が可能な、電車で行ける「やまがた百名山」の旅をご紹介します!
2018年の山の日に入籍したばかりの清水さんご夫妻。普段からマラソンや山登りなどのアクティビティに取り組まれている活動的なお二人です。
面白山(おもしろやま)は、山形県山形市と宮城県仙台市太白区との市町村境にある、奥羽山脈のほぼ中央に位置する山。
4キロほど南にある南面白山と区別するために北面白山とも呼ばれ、名前の由来は「白い山」と言う意味の「ツラシロヤマ」と呼ばれていたことから来ています。周辺には登山道がたくさんあり、登山者のレベルに応じた様々な難易度を選べるため、初級者から健脚者まで幅広く楽しむことができる「やまがた百名山」です。
今回、清水さんご夫婦には、自宅の最寄駅である山形駅から面白山高原駅まで、JR仙山線を使い電車で移動し、そこから面白山を目指して貰いました。
山形駅からは、北山形駅-羽前千歳駅-楯山駅-高瀬駅-山寺駅-面白山高原駅と6つ目の駅で、約30分弱の電車の旅。途中、山寺駅付近では、観光地である山寺の商店街を眼下に、山の上には宝珠山立石寺と五大堂を見ることができます。山寺は、俳聖・松尾芭蕉が詠んだ句「閑さや岩にしみ入る蝉の声」でも有名です。
面白山には面白山高原駅から3つの登山コースがあり、いずれも駅の近くに登山口がありますが、付近には「紅葉川渓谷」や「コスモスベルグ」といった名所があるので、先ずはそちらに足を運んでみました。
プラットホームから直接降りることができる「紅葉川渓谷」は、渓谷の広葉樹の紅葉と常緑樹が絶妙なコントラストを描き、毘沙門倉の巨大な岩壁、紅葉川の清流とともに大自然の絶景を目にすることができます。全長約2kmのトレッキングコースには、吊り橋や小さな滝が点在しています。紅葉を楽しみながら渓流沿いを進むこと約10分、開けた場所に出たと思ったら、目の前に落差約10mの見事な霰滝(あられたき)が現れました。
「コスモスベルグ」は、コスモス(キク科の一年草で原産はメキシコ)とベルグ(ドイツ語のBerg=ベルグ 山の意味)を合わせた名前で、約7haの花畑にキバナコスモスなどの花が咲き誇ります、例年の見頃は9月中旬~10月初旬頃です。
渓谷歩きを堪能した後は、面白山駅前の登山案内図で本日の行程を確認し、登山届をポストに提出していよいよ登山開始!
今回は景観の移ろいを楽しめる長左衛門平コースを選択しました。滝を横目に吊橋を渡り、渓谷沿いのブナ林をしばらく進むと、その先は沢筋登りとなり、何箇所か渡渉ポイントがあるため、慎重に足を運びます。
途中休憩を挟みながら沢沿いの道を登りきると、宮城県側からのコースと合流する長左衛門平に到着。長左衛門平は草原が広がり、夏には美しいヤマユリが咲き乱れるとのこと。ここからは本格的な登りとなるため、ポイント的にもいい休憩場所です。
長左衛門平から北(左)に進むと稜線歩きとなり、標高が上がるにつれ段々と眺望が良くなります。すれ違う登山者と挨拶を交わしながら、標高差80mの登り返しとなる「中面白山」を経由し、見晴らしの良い尾根道を進み、もう一頑張りすると目的の面白山山頂に到着です。
山頂には三角点と面白山大権現の石碑があり、月山や朝日連峰はもちろん、天気が良ければ鳥海山も望めるほど眺望が抜群。仙台方面も一望でき、コンディションが良ければ太平洋まで見渡すことができます。ここまでの疲労も吹き飛ぶ絶景に二人も大歓び!
時間的にちょうどお昼だったので、ここでランチ。360度絶景の中でのランチは格別。さらに食後は持参したコーヒーミルで豆を挽き、コーヒーを淹れて飲んでみたところ、これまた別格の味わい。
食後は山頂のお地蔵様に手を合わせ、帰路の安全を願ってから、天童高原に向けて下山開始です。
下りは三沢山、長命水から天童高原経由で面白山駅に戻るコースを選択。
山頂から三沢山までは見晴らしは良いものの、急な坂道となり所々不安定な岩場が存在するので注意しながら下ります。三沢山から長命水までは樹林の中を抜けるルート、傾斜はあるものの歩きやすい登山道です。長命水で喉を潤したら、残る西尾根コースは平坦で広い道ですので、ハイキング気分で道脇の樹林や木々の間から見える遠くの山々を楽しみながら歩きます。
そして最後のポイントである天童高原キャンプ場に到着。軽食等を販売している売店のほか、きれいなトイレや簡易シャワー室も完備されています。お二人はテントやBBQの様子を眺めながら「登山とキャンプのセットも面白いかも!」と興味津々。
また、隣接する広大な牧場では、牛やポニーが優雅に過ごすのどかな雰囲気の中、今日自分達が登った面白山を振り返り、今日一日の行程に思いを巡らせながら、面白山高原駅までの最後の登山道を歩きました。
今回の「面白山」には長左衛門平コース、天童高原コース、かもしかコースと、主に3つのコースがあり、今回はかもしかコース以外の2つのコースを歩きました。

電車で来て、駅からすぐに登山道へ入れる手軽さ、名前にオモシロが付くなどイメージは初心者向きですが、初心者の方には中級者以上の方と一緒に歩くことをお勧めします。迷うポイントはありませんが、注意箇所や予想以上に体力を必要とするなど、面白山経験者や登山の知識のある方と一緒のほうが心強いためです。
苦労した分、山頂からの景色は絶景で、この景色を見れば疲れが吹き飛ぶことは間違いなし!
山の天気は変わりやすく、今回の登山でも晴れたりガスがかかったりと、山頂付近の様子は刻一刻と変化していきました。できるだけ晴れた日に狙って、鳥海山や太平洋を見ていただきたいと思います。
電車で行こう!やまがた百名山「面白山」の旅を終えて
清水一宏さんの感想
面白山から眺める山寺や天童高原などの景色、山頂で飲むコーヒーが最高でした!また、電車に乗って景色を眺めながら登山道に向かう新鮮さもありました。このプランはオススメです。夫婦でまた行きたいと思います!
清水祥代さんの感想
長左衛門平コースは、初心者の私には登りが急できついところもありましたが、景色がきれいで楽しく登ることができました。登頂した時の達成感と山頂からの景色も最高で、また是非行きたい山です!
本日のコースタイム(参考)
6:00 自宅出発
6:28 山形駅発(仙山線普通仙台行き)
6:53 面白山高原駅下車 周辺の紅葉川渓谷、コスモスベルグを散策
7:40 登山開始(長左衛門平コース)
9:50 長左衛門平
12:40 面白山山頂(昼食)
13:15 下山開始(天童高原コースへ)
14:45 天童高原キャンプ場 周辺のキャンプ場、天童高原牧場を散策
15:15 天童高原キャンプ場 発
15:45 面白山高原駅 着(本日の累計登山時間 約7時間)
15:54 面白山高原駅発(仙山線普通山形行き)
16:25 山形駅下車
17:00 帰宅
面白山周辺 観光情報
【 山 寺 】
宝珠山立石寺を中心とする山寺は、慈覚大師が貞観2年(860)12月、清和天皇の勅許を得て創建した古刹と伝えられ、全山を構成する角礫凝灰岩は永年の水蝕と風蝕によって奇岩怪石を残し、これが樹間に隱顕し四季おりおりの景観は絶景です。
奥の院に到る参道石階は、立ちならぶ句碑や板碑と共に苔むして老杉怪石の間に立ち、幾多の堂塔を配し千古の静寂をたたえています。
元禄2年(1689)俳聖松尾芭蕉も門人河合曽良とともに訪れて一泊し、『閑さや岩にしみ入る蝉の声』の名句を「おくのほそ道」に残しています。
【 天童温泉 】
開湯は明治44年。
特産の将棋駒と、いで湯がとけあって独特の零囲気をかもしだしている温泉です。
全国的に知られる「人間将棋」の会場となる舞鶴山の北東側に温泉街が広がります。
将棋駒生産量日本一の町だけに、駒をあしらった橋の欄干や詰め将棋の歩道など、凝ったモニュメントがお出迎え。
旅心をくすぐるのは、女将たち発案の真っ赤な野点傘の休憩処。
風鈴の音に涼みながらほっと一息つきましょう。
【 若松寺 -じゃくしょうじ- 】
飛鳥時代末の和銅元年(西暦708年)に行基菩薩が開山した霊場。 その後、平安時代、慈覚大師(円仁和尚)が山頂付近にあった御堂を現在の地に移し、造営工事を行い大規模な伽藍配置としました。
室町時代には最上三十三観音札所の第一番に位置づけられ、「縁結びの観音様」で有名になった現在も、毎年多数の巡礼者が訪れます。 4~12月の毎月第1日曜日には、予約不要の「縁むすび祈願祭」を開催しています。
【 玉こんにゃく 】
昔から山形はこんにゃく芋の産地で、家庭で手作りしたこんにゃくの名残りとして伝えられてきたといわれます。板こんにゃく、糸こんにゃくが一般的ですが、玉こんにゃくは山形限定。
水を使わずにしょうゆだけで煮るのが美味しい食べ方。しょうゆの色と味がしみ込んだところで、あつあつを串に刺して、からしをつけるのが、山形名物玉こんにゃくです。