村山市の東端にある甑岳は、標高は1000メートルをわずかに超える程度ながら、その山容は秀麗で、東北百名山にも選ばれています。
奥羽山脈に含まれる甑岳の、ピラミッド型のやや急な独立丘は火山を連想させますが、太古の海底火山の一部が浸食に抗して残った、火山活動を伴わない痕跡火山と考えられています。
その名が示すように、その山容は古代中国を発祥とする米などを蒸すための器「甑」に似ており、大きく山をえぐる深い谷が刻まれ、傾斜30度以上の急峻な斜面もあります。多様な自然景観を伴う甑岳は、古来山岳信仰の場でありました。
- 幕井コース ◎片道:2時間45分
- 幕井コースは村山市中心部の楯岡地区からアクセスする最も一般的なコースです。村山駅から東沢バラ公園に向かい、登山道案内看板を目印に右折し林道を進んだ終点の跳木場が登山口です。橋を渡り進むと、途中には清水や馬立沼があり、その後には栗林が広がります。岩神コースと合流地点からは稜線歩きです。新山コースとの合流地点手前には、山頂広場と呼ばれる展望に恵まれた絶好の休憩場があります。ここから山頂は10分程、残念ながら山頂はブナ林に囲まれ眺望はありません。【アクセス道】未舗装路あり。車高の高い四輪駆動車であれば支障ないが、普通車の場合は要注意。【駐車場】あり。東沢バラ公園(200台程度)、岩神登山口分岐(5台程度)、砂防ダム前(2台程度)、登山口200m手前(3台程度)、跳木場前にも2台程度駐車可能だが車の転回スペースとして駐車は控えたほうが良い。凹凸のある狭隘な道のため普通車は岩神登山口分岐に停めたほうが良い。【トイレ】水洗トイレあり。東沢バラ公園駐車場P5奥(登山口の跳木場まで1.5km 30分)
- 新山コース ◎片道:2時間30分
- 村山市新山地区からのコース、最も短時間で登頂できます。新山集落を越え、暫くすると現れる石造りの鳥居を右折し林道を進みます。林道終点にある祠「山の神」が登山口になります。登山道を道なりに進み、水場を越えると、中腹には市内全域を一望できるポイント「見晴台」への分岐があります。登山道から50m程ですので休憩がてら立ち寄ってみましょう。その後、風穴、鉱山跡、胎内くぐりを経由して幕井・岩神コースと合流し山頂に至ります。【アクセス道】未舗装路あり。車高の高い四輪駆動車であれば支障ないが、普通車の場合は要注意。すれ違いに注意。【駐車場】神社の前後に未舗装の駐車スペースあり。5台程度。【トイレ】なし
- 岩神コース ◎片道:3時間40分
- 3コース中、最も長距離を歩く登山道ですが、名所「小松沢観音」に立ち寄れたり、山々を経由しながら縦走気分を味わえるコースです。かつての古道でもあります。
幕井登山口に向かう林道を進み、山の神聖徳太子尊参道を過ぎ、沢に架かる橋を渡って右折したところが登山口になります。コース名の由来でもある岩神山や大平山を経由しながら、ハチカ沢コース・幕井コースと合流しながら山頂に至ります。 - ハチカ沢コース ◎片道:2時間30分
- 南側の東根市側から登るコースです。日塔川上流の「一の沢池」方面に向かう道から分岐した林道(未舗装)を案内標識に従って進み、終点のきのこ園付近が登山口です(登山口看板あり)。登山口からしばらく進み、一ノ坂、ハチカ山荘跡地を越えたあたりから急登(二ノ坂~七ノ坂等)が続き、岩神コースと合流し山頂に至ります。【アクセス道】未舗装の林道【駐車場】きのこ園周辺に数台分【トイレ】なし