飯豊連峰の中ほどに位置する山で、西側のたおやかな斜面と東側の急峻な斜面との対比が美しく、すっきりとそびえ立っています。多くの登山道を有しますが、山形県の山の中でも特に長く険しい道のりのため、技術、体力ともに高いレベルが求められます。基本的に、どのコースを取っても北股岳への日帰り登山は困難なため、稜線の山小屋に宿泊する必要があります。
なお、温身平から梅花皮沢(石転び沢の下流)へ入ってすぐの登山道沿いに、山形県選定「里の名水・やまがた百選」の「ブナしずく」があります。
- 梶川尾根・丸森尾根コース◎◎片道:10時間
- 梶川尾根登山口から湯沢峰まで急登、その後、滝見場手前で再び急登です。滝見場の展望場所からは、石転び沢の雪渓や梅花皮滝が望めます。梶川峰への急な尾根を登りきると、高山植物の広がる緩やかな高原になります。扇ノ地紙で主稜線に合流し南下、門内岳を経て山頂です。復路は扇ノ地紙まで戻り、そのまま北上、地神山を経て地神北峰で右に折れ、丸森尾根に入ります。丸森峰を過ぎ、尾根筋を下って、最後は岩場交じりの急坂を下りると、飯豊山荘前に出ます。
※門内小屋、又は梅花皮小屋への宿泊をお勧めします。 - 石転び沢コース◎◎片道:9時間
- 温身平の十字路を右に入り、砂防ダム右端の階段から、梅花皮沢の左岸沿いの道を進みます。滝沢出合、梶川出合を過ぎ、石転びの出合で左俣の石転び沢に入り、雪渓を登っていきます。ほん石転び沢出合、北股沢出合を過ぎ、落石の集中する黒滝を一気に越えて、雪渓から突き出た草付き(中ノ島とも呼ぶ)に上がります。そこから斜度45度の斜面を登りきると、梅花皮小屋です。小屋から山頂までは、稜線を40分ほど登ります。
※梅花皮小屋への宿泊をお勧めします。
※石転び沢の雪渓は年及び季節毎に状態が異なります。ここでは7月中旬~8月中旬を想定していますが、事前に必ず現地の状況を確認してください。