樹氷復活県民会議

樹氷のもととなる木

 蔵王連峰の標高1,300メートルから1,700メートルにはマツ科モミ属のオオシラビソ(アオモリトドマツ)が自生しています。このオオシラビソは冬になると、樹氷に姿を変えます。
 ところが今、標高が高い場所に生えているオオシラビソの多くが虫害等で枯れてしまっています。

地蔵岳山頂付近の枯れたオオシラビソ

 枯れ木でも樹氷はできますが、葉や枝がない分やせ細った形になっています。いずれこの枯れ木も倒れてしまい、被害地では樹氷が見られなくなってしまうかもしれません。
 また、特に被害が大きい地蔵岳山頂付近ではオオシラビソの稚樹が生えていないため、自然の力のみによるオオシラビソ林の再生は難しい状況です。

蔵王に自生するオオシラビソ

 蔵王の山頂一帯のオオシラビソ林は国有林であることから、すでに数年前から、現地の国有林を管理する林野庁東北森林管理局などが、被害を受けていない場所に自生しているオオシラビソの稚樹を被害地に移植したり、現地で採取した種から苗を育てたりする試験研究を行っています。

マツボックリができている オオシラビソ

マツボックリより取り出した種から育てている苗
播種後1カ月経過したもの

(作成:東北森林管理局)

 「樹氷復活県民会議」では、オオシラビソ林再生へ向けた取組みを支援し、「県民の宝」である樹氷の景観の復活を実現するため、今後も取組んでいきます。